金登 大典

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茶道裏千家淡交会様研修会にて講演会開催

先日6月16日に淡路島で行われました茶道裏千家淡交会様の研修会に、講演会講師として招いていただきました。ご依頼のきっかけは、なんと偶然このブログを読んで頂いていたことです。更新頻度はそう高くないブログですが、どこかで発見してくださる方がいらっしゃることに、情報発信することの大切さを感じます。そうしてお声がけして頂いた茶道裏千家淡交会様には、貴重な機会を頂きまして、大変感謝申し上げたく存じます。今回の講演のテーマは「淡路島の香伝来と線香作りの歴史」です。せっかく淡路島での研修会ということで、ここ淡路島での線香作りが発展した経緯と歴史についてお話しさせていただきました。そして、線香作りの元となっている原料の説明や、製造工程などをさせていただきました。内容を少しお話しすると、実は淡路島では全国の線香製造の約7割を担っている一大産地なんです!というPRが主です。(笑)でもこれが、いつものことながら、あまり知られていません。それは何故かと考えると、やはり日本の線香作り発祥の地が堺を起点として京の都で消費されていた歴史があるからだと思います。その後、堺から淡路島に製造現場が移行してきましたが、その要因は人件費が安かったことや、線香を乾かす気象条件が良かったこと、航路の便が発達していたことなどの製造現場としての条件が整っていたことが大きな理由です。しかし、日本書紀にも記録されている、お香の原料となる沈香という香木が日本に初めて漂着した地がここ淡路島であるということは、日本の香発祥の地として、私たちものづくりに携わる者の誇りでもあります。そのような場所で、日々仕事をさせて頂けることはとても有難いことだと感じています。今回の様に、人様の前でお線香について色々お話しさせていただくことは、私自身、普段ものづくりの方の人間でして、説明が拙い部分が、どうしてもあります。しかしながら、皆様にもっと淡路島のお香を知って頂きたいという想いから、活動させていただいていますと、願いが叶う様に不思議と、ご縁にも恵まれることがあります。そうしてお声かけして下さる方々に、成長の場を与えて頂けることは、本当に幸せなことだなと身にしみて実感しています。この度も、親睦会へのお誘いをいただいたり、よい仲間に入れて頂き、たくさんの方を親切にご紹介くださいました。日々のご縁に感謝して、励みにしてこれからも頑張って行きたいと思います。皆さまどうぞよろしくお願いいたします。

講演会・お香づくり体験講座開催

先日、ご縁を頂きまして裏千家米子支部様、株式会社静香園様より講演のご依頼と、練香づくり、印香づくり、匂い袋づくり体験講座を開かせて頂きました。2日間に渡り計75名のお客さまにご来場頂きました。ご多忙の中、多くのお客さまに来場いただき感謝申し上げます。講演では淡路島での線香製造の歴史と、お茶とお香の関わり合いの歴史についてお話させて頂きました。お香づくり体験では、実際に香に触れながら皆さんの楽しんでいる様子を拝見し、親しみを持って頂けたと実感し大変嬉しく感じました。さて、香とお茶については関わりが深く、とても面白いものです。まず日本に伝来したきっかけというのも香は鑑真和上、茶は明庵栄西が中国から仏教とともに伝え、それぞれが「道」というルールづくりとして確立されていくのですが、その過程が非常にドラマチックです。仏事としての始まりから、日常生活を香りで豊かにする遊びとして平安貴族が考え出したレシピ集「六種の薫物」、和歌に合わせて産地を当てるゲームとしての遊び「源氏香」、博打としての「闘香」「闘茶」の歴史、そしてその集大成としてのルールブックとして制定されていく「香道箇条目録」「七事式」その発展の過程を時代背景とともに理解するととても面白いものです。他にも「婆沙羅大名佐々木道誉」のエピソードや、伝説の沈香「蘭奢待」のエピソード、名香「白菊」のエピソードなど、実在の人物とともに語り継がれた物語に思いを馳せることが出来るのも香の魅力のひとつではないかと感じます。講座を体験していただいた皆さんにとっても、そのような魅力に少しでも触れていただければ幸いです。香の魅力や楽しさ、面白さを少しでも多くの方に伝えていけるまたの機会を楽しみにしています。

香りづくりのWorkshop

先日、Workshopにて20名様のご対応をさせて頂きました。団体様のご予約は初めてのことです。資料の準備やシミュレーションを済ませていざ本番。講座の内容は「匂い袋づくり」です。7種の天然香料をブレンドしてオリジナルの香りを創っていただく体験型のリクリエーションです。普段の生活の中では経験することのできない、お香の原料に触れる機会、原料の香りの違い、混ぜることによる新たな香りの発見などを通して、香りそのものに興味を持っていただく機会になれば良いなとはじめた取り組みです。淡路島に観光にいらしたお客さまに淡路島のお香の歴史を知ってもらいたいと思って初めた企画が予約まで頂けるようになって感無量です。しかし、お客さまに満足いただけたのだろうかと準備不足もあり今回かなり反省点が残りました。そして課題も沢山いただき本当に良い機会をいただけたなと感謝しております。ここで、日本の香の歴史の少し触れさせていただくと。飛鳥時代538年 仏教伝来とともに仏教儀礼として香が用いられた。595年 日本書紀にて『ひと抱えもある大きな沈水香木が淡路島に漂着し、島人がそれと知らずかまどに入れて薪とともに燃やしたところ、その煙が遠くまで薫り、これを不思議なこととしてこの木を朝廷に献上した』と記述。奈良時代鑑真和上が仏教とともに香薬や配合技術を伝えた。このころから仏事から日常生活へ香りを楽しむ文化へと変化していく。平安時代貴族の間で香料を複雑に練り合わせ、日常的に香を楽しむ薫物が流行。枕草子、源氏物語にも影響を与える。鎌倉・室町時代武士が政権をとり、貴重な香木の香りそのものを楽しむ聞香が確立される。精神統一やステイタスを示すものとして用いられた。江戸時代武士から商人へと香り文化が広がっていき香道が確立される。線香の製造技術が中国より伝わり一般庶民の間でも広まっていく。香りにはこのような歴史があります。そして、私たちは現代の暮らしに合った香りを提案し、香の歴史を伝え受け継がせていく役割があります。これ程までに続いてきた歴史の重みを感じると重責ですが、香りを楽しむという面白さを少しでも伝えていくべく活動していきたいと思います。

新しいワークショップのメニュー追加しました。

お香づくりのワークショップに印香作りに加え、匂い袋のメニューを追加いたしました。7種の天然漢薬香料をお客さまのセンスで調合いただきオリジナルの香りを作っていただくという試しみです。と言ってもちゃんとフォローはさせて頂いておりますので安心してご参加下さい。実際にお香に使われる原料を一つ一つを手にとって身の回りで使われている実用例などを説明させていただきながら香をもっと身近に感じてもらえたらと思っています。例えば、八ツ橋などお菓子に使われるシナモン、肉の臭み消しやホットワインに香り付けで使われるクローブ、昔からタンスの中の除虫剤として使われてきた樟脳などが香の原料として使われています。それぞれ特徴のある独自の香りをどの程度の量を入れると自分好みの香りに近づくのか??嗅覚とイメージを最大限膨らませてブレンドしていく工程は五感を刺激するとても楽しい体験です。もちろん、お客さまのお作り頂いた香りは可愛い袋に入れて匂い袋としてお持ち帰りいただけます。玄関先やカバンに入れて、また着物を来て出かける際に袖口に忍ばせて一緒に持ち歩かれるのもオススメです。最近ワークショップに使う可愛い布を求めて手芸屋さんに通っています。こちらの袋は全て手作りしています。可愛いという言葉に敏感に反応しています。先日、某社社長より大量注文いただき夜なべ作業で急ピッチ製作いたしました。(汗)ありがとうございます!!

はじめての香道体験

お香を作っている者として、香の起源や歴史を知ることは必要不可欠なことではないかと思い、香道体験の申し込みをしてみました。今まで興味はあっても実践することは初めてのことだったのでワクワク半分緊張半分という面持ちで挑みました。香道と言えば、茶道、華道に並ぶ日本の伝統芸道です。難しい作法や所作の心得が必要で、敷居が高いイメージが先行してしまいます。やはり教養が必要で一般人が入っていく世界ではないと躊躇してしまうところです。しかし、いざ香席が始まると全く初心者の私でも丁寧に指導下さり、皆さまのお心遣いに触れながら終始リラックスした気持ちで時間を楽しむことが出来ました。この度経験させていただいた香席は組香と言い5種の匂いをランダムに聞いて(匂を嗅ぐことを聞くといいます。)その違いを見定め当てることを主旨とする遊びです。分かりやすく言うと利き酒のような概要です。しかしゲームでの勝ち負けを競うのではなく、テーマとなる和歌にあしらって香りの物語が読まれていたり、希少な香木を皆で聞いて分かち合うという意味合いの方が大切な役割を担っていることに気付かされます。香道の魅力は語り継がれた物語から歴史を知ることや、受け継がれてきた香木や文化に敬意を払いながら接することでもあると感じました。それは、その席だけではなく、私たちの日常生活の中でも大切にしたい考え方です。日本人の持つ和の精神、その教えは決して押し付けがましくなく、余白を残しつつ絶妙な間を生み出します。なんとも雅な奥の深い世界であると感じました。